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E氏は、それこそクロームの最大の強みだと主張した。
そのおかげで、ウェブ・デベロッパーはターゲットを特定できるのだ。
しかも、この法則によれば、高速なコンピュータの価格はどんどん低下するので、いずれはもっと多くの人びとがクローム搭載マシンを購入できるようになる。
E氏の計画では、そうしたマシンの普及にともなって、クロームを使ったサイトを制作するデベロッパーもどんどん増えるはずだった。
3Dを強化すればデータのやりとりも増えて、収入も増えるからだ。
E氏は、インターナショナル・データの推定を引用し、1998年1月1日の時点で存在する推定3億5千万のウェブサイトは、2000年には、25億に達するだろうと述べた。
従って、クロームの戦略は危険性が高い。
カリフォルニア州ラホーヤにある調査会社によると、1997年度に販売されたパソコンの40パーセント近くが、1000ドル以下のマシンだった。
E氏は、部屋にいる人びとに、自分はM社のチームの一員、ビルのファミリーの一員であり、帝国の宝物の一部を受け取る権利があるのだと思わせることでメッセージの重さをいくらかやわらげた。
「このプロジェクトの意義は、今後3、4年のうちにわたしたちがどこへ行くのかをしめすことにありますので、みなさんもどんどん意見を出して、わたしたちに協力してください」E氏は語った。
「みなさんの協力なしには、成功はありえないのです」E氏の概要説明では、クローム開発におけるI社の役割も語られた。
クロームは、I社が開発する高性能CPUと歩調を合わせて進化する。
ウィンドウズOSが普及してから、両社の共生関係がこれほどはっきりと明言されたことはなかった。
クロームは高速のパソコンを必要とする。
I社は高速のCPUを開発する理由を必要とする。
クロームは両社の要求を満足させる存テレビなみのグラフィックをウェブ上で実現するのは、E氏のまえにすわっている人びとの多くにとって魅力的だった。
派手な画面転換や、ぱたんと開いて広告やほかのページを表示するナビゲーションバーといったアイディアに、何人もが頭をうなずかせた。
新しいだけに可能性も無限だった。
すでに、ニュージャージー州を拠点とするカトリックス・ミレニアム・ラッシュは、映画に出てくるような小さな3Dアニメのキャラクターを開発していた。
「ウェブページを目立たせるのは非常にむずかしいことになります」E氏は語った。
会場にいた人びとの多くは、ある皮肉に気づいていなかった。
E氏は自分ではウェブを見なかった。
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